岩倉と西春日井は、濃尾平野のほぼ中央に位置し、長らく、岩倉(丹羽郡)、西枇杷島、清洲、新川、春日、師勝、西春、豊山(西春日井郡)の八町村によって形作られていた地域である。
天文二十三年(一五五四)、清須城に入城した織田信長の以後の快進撃により、尾張の首府として広く知られるに至った城下町「清須」は、江戸幕府開府後の「清須越」によって町ごと一切が名古屋に遷され、一旦壊滅。以降は宿場町として復興し、美濃路を通じて「下小田井の市」とともに新都・名古屋や周辺農村と関わっていく。
純農村地帯であった岩倉市や師勝町、西春町、豊山町は、名古屋電気鉄道犬山線(現名鉄犬山線)の開通以降、駅周辺が活況を呈した。近年は名古屋市へのアクセスの良さからベッドタウンとして人口が増加している。
また、戦中に開設された陸軍小牧飛行場が、戦後、名古屋空港となり、空港が置かれた豊山町は一躍「飛行機の町」として注目を集めている。
100年──。時代は大正、昭和、平成、令和と移り変わった。本書は、大きく「戦前」と「戦後」に内容を分けた上で、それぞれの時代におけるふるさとの変貌を感じられるよう写真を収録。巻頭、巻末にはカラー口絵も設け、時代に沿った写真の変化も楽しめるよう努めた。
初版1,000部限定出版で増刷はなし。表紙写真は、美濃路の遠景(昭和40年代)。
収録地域=岩倉市・清須市・北名古屋市・豊山町
■編集協力
加藤富久(清須市文化協会歴史クラブ長・清須市文化財保護審議会員)
坪井文一(元西枇杷島町文化財調査委員会代表)
岩倉市郷土研究会
■編集
樹林舎「岩倉・西春日井の100年」編集部
判 型 A4判、上製本
頁 数 280頁(カラーページ16頁)
発売日 2022年3月31日
本体価格 9,082円+税
ISBN 978-4-908436-75-8
■目次■
巻頭口絵◆カラー写真で見る岩倉・西春日井
第Ⅰ部
1 明治大正の岩倉・西春日井
2 激動の昭和の幕開け
特集◆戦前・戦中の学校
3 戦時下の暮らし
第Ⅱ部
4 戦後復興期の情景
5 高度経済成長を経て変わりゆくふるさと
6 地域を結ぶ交通網
特集◆名古屋空港の開港
7 ここに暮らす人びと
8 祭りと伝統行事
9 戦後の学校
特集◆ぼく、わたしの遊び場
10 記憶に残る出来事
11 昭和から平成の時代へ